どうもこんにちは、コジローです。
最近読んだ「仕事の説明書 ~あなたは今どんなゲームをしているか~」の内容や感想を自分なりにまとめてみます。
自分の仕事に意味を感じない人、つまんないって感じてる人にはぜひ読んでほしいです!
この本はこんな人にオススメ
この本は以下のような悩みを持つ人にオススメです
- 仕事がつまらない
- 今の自分の仕事の意味が分からない
- 課題へのアプローチの仕方が分からない
上記の様な悩みを持つ人の助けとなる本、まさに「仕事の説明書」です
この本では仕事がつまらない理由・原因を考え、それを排除するためにはどう考え、行動するかが書かれています。
つまらない原因を解決する過程で仕事の意味や本質を理解し、またどうやって解決するかが書かれているので上の3点を書きました。
1つ目の仕事がつまらないって人はそこそこいるのではないでしょうか?
…まぁ、私がそうなんですよね(汗)、だから読みました(笑)
特徴と概要
特徴
この本の概要について触れる前にこの本を読んで感じた特徴について触れたいと思います。
例えが多い
この本では、新しい言葉が出る度に例え話が出てきます。
ゲームに例えたり、学校のクラスに例えたり、身近な人間関係に例えたり…
(ちなみに物事を例えて説明することをアナロジー思考と言います)
そのせいか、本書の内容がとても分かりやすいと私は感じました。
具体例・体験談が多い
この本では何か手法を説明した後、具体例や体験談を引き合いに出して、私ならこう使う(こう使った)と実践例を出してくれることが非常に多いです。
こういったことが書かれれば、自分の場合だとどのように当てはめて使えるだろうと考えやすいです。
自分なら思考法・手法は実践してみようか、という意思を芽生えさせ
同時に説得力を感じました。
何が言いたいかというと…
以上2点がこの本を読んでいて終始関した特徴です。
何故本の中身に触れる前にこれらを書いたかというと、この本を読んで少し難しそうだと思う場面があっても1節読み終えれば内容を理解できている、と感じることが結構ありました。
冒頭だけ読んで難しそうだから本を閉じるのではなく、最後まで目を通してほしいと思ったから先に特徴を挙げました。
概要
それでは中身について触れていきます。
この本は一言でまとめれば
「問題解決のアプローチ」
について書かれた本です。
ここで今までの記事を読んでくださった方は、「え?仕事の面白さを説いた本では無いの?」と思う人がいるかもしれません。
違います、この本が説いているのは仕事の本質です。
ほぼすべての仕事に共通している部分(本質)を抽象化しながら取り出し、仕事の攻略をするためにどんなアプローチや手段があるかを書かれた本です。
記事のタイトルと違う?そんなことはありません。
2つ上のトピックでも書いたように仕事を面白いものにする(面白く感じる)ためには本質の理解が必要なのです。
どうして仕事はつまらない?
本書では仕事がつまらない理由をゲーム(遊び)と比較してつまらない原因を追究しています。
そして、遊びの持つ特徴を考え、仕事の特徴と比較した結果、仕事をゲームに近づけるのに解決すべき要素は以下の3点だと述べています。
- ゴールや到達手段があいまいであること
- 失敗が許容されないこと
- 自由意志が発揮できないこと
つまり、仕事を面白くするために必要な要素は
- ゴールや到達手段を明確にすること
- 失敗を許容される環境を作り上げる
- 自由意志を発揮すること
1番を達成することで目的と手段とを明確にし、その上で2番を達成することでリスクを最小限に抑えながらゴールを目指すことが可能になり、リスクを最小限に抑える環境・体制ができれば3番で挙げた自由意志を持った、やりたいと感じた仕事ができるようになる、ということです。
仕事がつまらないと感じるのであれば、まず最初にすべきことは「仕事とは何なのか?」を考え、仕事の本質を知ることです。
仕事とは何なのか?
結論から言ってしまいましょう。
仕事とは
問題を解決すること
です。
考えてみると当たり前かもしれません。
職場で頼まれることは大体以下のようなことではないですか?
- 出来ないことをできるようにする
- 要望や不満を解消する
- 足りないものを充足させる
小売り店では肉、服、鞄など満たされない(足りない)ものがある人の問題を解決し、飲食店では空腹を満たしたい、おいしいものが食べたいといった要望を解決しています。
他の仕事も同様で、誰かが抱えた問題を解決しています。
仕事のすべては問題解決である、と本書では仕事を定義しています。
問題解決
子供でもやっている
問題解決、というとなんだか難しそうな気がしますが実は小さい子供でもやってますし、皆さんが小さいころもやっていたと思います。
例えば皆さんはゲームをしたことはありますか?
ゲームをしたことがある人は行き詰った事ってないですか?
ボスが倒せないってなった時、どうすればボスを倒せるようになるか考えたと思います。
ボスを倒せる状態(理想)を思い描き、今のステータス(現状)を見つめ、目的を果たすために装備を買ったり、新しいテクニックを身に着けたと思います。
つまり、理想と現状のギャップを理解しそのギャップを取り払うべく行動したと思います。
これはも問題解決の1つと言えるでしょう。
まずは問題定義
何か問題があって、それを解決すべく仕事に取り掛かる際に解決方法をすぐ考える人がいますが、本書では問題定義も解決手段以上に重要だと述べています。
目の前の事象を見てそれを解決しようとするのではなく、その事象の根本的な原因こそが問題であるという場面が多々あるということです。
問題定義とは現状と理想の状態を比較して、その時のギャップが問題となるのです。
例えば「お客さんが来ない」というのは問題ではなく現状で、同様に「お客さんが来る環境を作ろう」というのは解決策ではなく、ただの裏返しなのです。
このような状態は解決策ではなく、問題が分かっていない状態だ
と言えるでしょう。
ちなみに本書の中では、問題定義のフレームワークも紹介されています。
問題解決の考え方
本書では問題解決の手法や思考法など、アプローチの方法が数多く紹介されています。
どんな時に使えるか、どんな考え方が大事か、また、具体例を交えながら説明されています。
数多くのアプローチの方法が載っているのがこの本の1番の魅力と言えるでしょう。
この記事ではそんな問題解決の際に基本となる考え方を紹介します。
皆さんMECEという考え方を知っていますか(ミーシー。もしくはミッシー)
MECEは「漏れなく、ダブりなく」ということで
- Mutually → お互いに
- Exclusive → 重複せず
- Collectively → 全体に
- Exhaustive → 漏れがない
の意味です。
具体例を挙げましょう。
たとえば顧客を男性と女性と分けたとしましょう。
これはMECEと言えます。
重複も漏れもなく、全体を網羅できているからです。
では逆にMECEでない状態はどんな分け方か
例えば、男性と女性と老人、という区分で分けると老人が男性と女性に混同して重複しているためMECEではありません。
このように重複や漏れがあったりするのはMECEではありません。
何故MECEが大事かというと問題を考えている最中に「あれが無かった」「これを考えていなかった」と後戻りが発生してしまうためです。
MECEは問題解決においては基本となる考え方の1つですが、このような問題解決について考える上での手法・思考法がこの本にはたくさん載っています。
気になる方は実際に本を手に取ってみることをお勧めします。
絶対にためになると思います。
この本は8章から構成されているのですが、問題提起・解決の手法について書かれている章が約半分を占めています。
それほどこの本には問題解決の助けとなるものが詰まっています。
失敗が許容される環境とは
仕事と遊びの違いの中で、失敗が許容されないこと、というのを挙げました。
ゲームと違って仕事では責任が発生しますので、失敗を繰り返し試行錯誤を行うということは簡単にはできません。
なので、仕事においては「リスクを抑えてリターンを得る工夫」が必要になります。
この本では、リスクを抑えてリターンを得る方法を2つ紹介していますが、そのうちの1つ、「ABテスト」を紹介します。
ABテストとは対象となる顧客グループA、グループBとグループ分けを行い、グループごとに違うアプローチを行うことで変化の違いを見る実験です。
代表例としては「治験」が挙げられます。
ABテストには重要な視点が3つあり
- 立証したい仮説があること
- 勝っても負けても知見を得ること
- 本番投入後の予期せぬ損失を抑える
この3つ目が自由意志につながることがあります。
このABテストを行う際にあらかじめユーザーの数%で行うということを定めておき、ABテストの効果が一定のラインを下回ったらテストを終了し元の状態に戻す、という設定をしておくことでリスクを数%のユーザーに抑え、一定以上の失敗は超えないようになります。
これはどういうことかといいますと、
失敗が許されない仕事において許容できる失敗の範囲を定めておけば、失敗するリスク(チャレンジできる可能性)を入れ込むことができる。
ということです。
問題へのアプローチ次第では失敗が許される環境が作れる、ということですね。(もちろん許容範囲内の、ですが)
自由意志の獲得
仕事をゲームに近づける要素の中に「自由意志を発揮すること」を挙げました。
その自由意志を獲得していく方法もこの本に書いてあります。
皆さんはフィギュアスケートを見たことをありますか?
フィギュアスケートには規定演技と自由演技があります。
規定競技は決められた時間で決められた競技を行うことです。
大会によっては規定演技で上位にならないと自由演技に参加できない、ということもあるそうです。
そして、規定演技よりも自由演技の方がポイントが高く、勝負のポイントになるそうです。
これは仕事にも共通していて、自由演技をするには規定演技をクリアする必要があります。
与えられた決まった仕事で良い成果を残せたら、上司も「この案件はあいつに自由にやらせてみるか」と思いやすいでしょう。
逆に指示した仕事を、テキトーに処理している人に任せようとは思わないでしょう。
また、上司に指示された仕事よりも、自分から考えた企画・やり方でこなした仕事のほうが達成感が大きいのは想像できるでしょう。
何が言いたいのか、それは自由意志の獲得のためには規定の仕事で信頼残高を稼いでおく必要がある、ということです。
信頼残高を稼ぐ手段として、上で紹介したフレームワークを活用してください、というのがこの本が伝えたいメッセージの1つだと思います。
最後に
実はもっと・・・
長くなりましたが、以上が「 仕事の説明書 ~あなたは今どんなゲームをしているか~ 」の紹介になります。
といってもまだまだこの本の魅力は紹介しきれておりません。
私がこの本で一番スゴイと思ったのは、たくさんの種類の問題へのアプローチ方法が載っているということでした。
それも一つ一つがとても丁寧に、どんな場面で使えるかまで。
ほかにも自分の意志を通すための交渉の技術や相手を説得するための資料やデータの見せ方など、実際に使える知識が詰まってました。
今回紹介した内容はほんの一部で、本当に役立つ知識が詰まった本だと感じました!
使えてこそ価値を発揮する
しかし、どんなに問題へのアプローチの方法を知っていても使えなければこの本を読んだ意味は激減してしまうでしょう。
考え方を改めて、日々の業務で中で使えそうなアプローチがあったら、実際にどんどん使うようにして、それぞれのアプローチの使い方をマスターしていきたいと思います。
口で言うほど簡単ではないでしょうが、私も仕事は楽しい方が良いと思うので!
この記事を読んで、もしくは実際に本を手に取っていただけて、仕事に対する考え方が変わったのなら幸いです。
ではでは今日はこの辺で~ノシ